病院紹介

院長挨拶

独立行政法人国立病院機構花巻病院のホームページをご覧いただきありがとうございます。院長の八木深です。

花巻病院は、岩手県中部診療圏精神科救急の拠点病院であると同時に、岩手県認知症疾患医療センター(地域型)、岩手災害派遣精神医療チームDPATの指定を受けております。多職種チームにより、関東以北で唯一の強度行動障害を伴う重症心身障碍児者医療を実践し、身体拘束ゼロを目指した認知症治療、一人一人のモチベーションを大切にした司法精神医学医療と医療観察法医療、当事者研究、治療抵抗性統合失調症に対するmECT クロザリル治療、アルコールリハビリテーションプログラム、訪問看護等、多彩な高度精神医療を実施し、臨床研修・研究施設として機能しています。

東日本大震災により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。何年経っても辛い思いが続いているのではないかと思います。

積もった雪 (金子みすず)
上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。
下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面(じべた)もみえないで。

金子みすずは、上の雪や下の雪だけでなく、中の雪のさみしさも想像しました。プロフェッショナルにとって、声なき声を想像する能力はとても大切だと考えます。

花巻フォーラムでの元気回復プログラムWRAPの講演で、講師の増川さんは、回復した人の特徴を5つ述べました。1希望、2個人の責任=選択する力、3学ぶこと、4権利擁護=自分の声を前に、5支援です。増川さんは、希望から始める、人とのつながりで、希望を感じられるのが分かった、と述べました。つながることで希望を感じる、これが回復の鍵だという話は、とても重要に思います。つながるためには、寄り添うことが必要です。私たちは、つなぐ人になってゆきたいと思います。先回りせず、声を聞き届け、その声に応えること、開かれた対話を通じて、つながることができたらばと思います。想像することで つながる、つながると 本人の 言葉が 聞ける。金子みすずのように 痛みを知る人たちの言葉は やわらかく 深いと思います。

八木 深
院長 八木 深
寄り添い 想像しながら ともに前に。
この理念のもと、花巻病院は、皆さまとともに進んでゆきたいと思います。
今後ともよろしくお願い申しあげます。

2018年10月31日
八木 深